建築用塗料とは?
建物を守り、彩る。外壁から内装まで対応する多機能コーティング
【超解説】とても簡単に言うと何か?
建物の表面に塗って「守る」と「彩る」を両立させる液体です。雨や紫外線から
壁を守り、見た目も綺麗にします。樹脂の種類(アクリル・ウレタン・
シリコン・フッ素)で耐久年数が大きく変わります。
1. 基本概要
そもそも何か
建築用塗料は、樹脂(バインダー)・顔料(色の元)・溶剤(薄め液)・
添加剤で構成される液状のコーティング材です。塗布後に溶剤が蒸発して硬い塗膜を
形成し、建物を保護します。
なぜ必要なのか
コンクリートやモルタルはそのままでは水を吸い込み、鉄部はサビて腐食します。
塗料の塗膜が防水・防錆・耐候のバリアとなり、建物の寿命を大幅に延ばします。
2. 構造や原理
内部構造(特徴的な構造)
塗膜は下塗り(シーラー・プライマー)、中塗り、上塗りの3層構造が基本です。
下塗りは素地との密着を確保し、中塗り・上塗りが防水・耐候性能を発揮します。
作動原理
水性塗料は水が蒸発して樹脂が結合(造膜)し、溶剤系塗料は
有機溶剤が蒸発して樹脂が固まります。2液型は主剤と硬化剤が化学反応して
より強靭な塗膜を形成します。
3. 素材・形状・規格
外観形状と素材
缶入りの液体で、ローラー・刷毛・スプレーガンで塗布します。色は標準色見本帳に基づいて
数千色から選択でき、調色(色合わせ)も可能です。
種類や関連規格
樹脂別にアクリル(耐用5〜8年)、ウレタン(8〜10年)、シリコン
(10〜15年)、フッ素(15〜20年)、無機(20〜25年)に分類されます。
JIS K 5658等で品質が規定されています。
4. 主に使用されている場所
使用される施設
住宅・ビル・マンション・工場・橋梁・鉄塔・プラントなどあらゆる建築物・構造物の
外壁・内壁・屋根・鉄部に使用されます。
具体的な設置位置
外壁全面、屋根、軒天、雨樋、鉄部(階段・手すり・鉄骨)、内壁、天井、床など建物の
ほぼすべての表面に塗られます。
5. メリット・デメリット
メリット(長所)
比較的低コストで建物の防水・防錆・美装を実現でき、塗り替えによって繰り返し
メンテナンスが可能です。色や質感の選択肢が非常に豊富です。
デメリット(短所・弱点)
永久ではなく定期的な塗り替えが必要です。施工時の天候に左右され、
下地処理が不十分だと早期に剥がれや膨れが発生します。
6. コスト・価格の目安
導入や更新にかかる費用
外壁塗装の工事費は一般住宅で80万円〜150万円程度です。塗料の材料費はシリコン系で
1缶(15kg)1万円〜3万円、フッ素系で3万円〜6万円程度。
おおよその相場
- シリコン塗料: 10,000〜30,000円/缶
- フッ素塗料: 30,000〜60,000円/缶
- 外壁塗装工事: 800,000〜1,500,000円
7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法
更新周期(推奨交換時期)
アクリル系は5〜8年、ウレタン系は8〜10年、シリコン系は10〜15年、
フッ素系は15〜20年が塗り替えの目安です。チョーキング(触ると白い粉が付く現象)が出たら
塗り替え時期のサインです。
絶対にやってはいけない悪い使用方法
下地処理(高圧洗浄・ケレン)を
省略して塗ること、雨天や気温5℃
以下で塗装すること、指定された
希釈率を超えて薄めること、
乾燥時間を守らずに重ね塗りする
ことです。
悪い使用方法をするとどうなるか(末路)
下地処理の省略は密着不良で数ヶ月で塗膜が剥がれます。過度な希釈は塗膜が薄くなり
防水性能が著しく低下します。
8. 関連機器・材料の紹介
- サンダー:
塗装前の下地研磨に使用。
▶ 詳細記事はこちら - コーキングガン:
塗装前のシーリング処理に使用。
▶ 詳細記事はこちら
9. 多角的なQ&A(20連発)
外壁塗装はいつ頃やるべき?
新築から10年前後が最初の塗り替え時期です。壁を触って白い粉が付く(チョーキング)、
ひび割れが出てきたら早めに検討してください。
シリコンとフッ素どちらがいい?
コスパではシリコン系(10〜15年)が最も人気です。長く住む予定なら
フッ素系(15〜20年)の方が塗替え回数が減って結局お得です。
水性と油性どちらがいい?
現在は水性塗料の性能が向上し、臭いが少なく環境にも優しいため住宅では水性が主流です。
鉄部や特殊用途は油性が使われます。
DIYで外壁を塗れますか?
2階以上の高所作業は足場が必要で非常に危険です。1階部分の小面積なら可能ですが
仕上がりと安全面からプロへの依頼をおすすめします。
塗装業者の選び方は?
相見積もりを3社以上取り、使用する塗料の銘柄・塗り回数・保証内容を比較してください。
極端に安い見積もりは手抜き工事のリスクがあります。
下地処理で最も重要なことは?
高圧洗浄で旧塗膜の汚れとチョーキングを完全に除去し、ひび割れの補修、シーリングの
打替えを確実に行うことです。
シーラーの塗り忘れは重大?
非常に重大です。シーラーなしでは上塗りが素地に吸い込まれて
ムラになり、密着力も不足して早期剥離の原因になります。
塗り回数を減らすとどうなる?
規定の塗膜厚が確保できず耐久年数が大幅に短くなります。「3回塗り」は絶対に省略しては
いけません。
気温と湿度の施工条件は?
気温5℃以上35℃以下、湿度85%以下が一般的な条件です。結露の恐れがある時は
施工を中止してください。
ローラーとスプレーの使い分けは
住宅の外壁はローラーが主流で飛散が少なく近隣への配慮になります。
大面積のビルや工場はスプレーが効率的です。
品質管理のポイントは?
塗料の使用量と塗膜厚を管理し、各工程(下塗り・中塗り・上塗り)
ごとに写真記録を残してください。
施工記録に残すべき項目は?
塗料のメーカー・品番・ロット、希釈率、施工日の気温・湿度・天候、
乾燥時間を記録してください。
近隣対策は何が必要?
足場のメッシュシートによる飛散防止、塗料の臭い対策(水性塗料の選定)、工事の
事前告知を行ってください。
保証書の内容確認は?
施工保証と塗料メーカー保証の両方を確認してください。保証期間、保証範囲、免責事項を
施主に説明します。
足場の設置期間は?
一般住宅の外壁塗装で2週間〜3週間が標準です。天候による中断を見込んで
余裕を持った工程を組みます。
長期修繕計画での塗装周期は?
マンションの大規模修繕では12〜15年周期で外壁塗装を計画するのが一般的です。
塗料の保管方法は?
直射日光と凍結を避けて室内で保管します。開封後は空気に触れると固まるため
密封して早めに使い切ります。
おすすめのメーカーは?
日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研が国内三大メーカーで
品質と実績が安定しています。
遮熱塗料の効果は?
屋根や外壁に遮熱塗料を塗ると室温が2〜3℃低下する効果が確認されています。冷房費の
削減にも繋がります。
廃棄塗料の処分方法は?
余った塗料は産業廃棄物として処分します。排水溝に流すのは法律違反です。