ダンプトラックとは?
土砂を載せて走り、一気に降ろす現場の運び屋
【超解説】とても簡単に言うと何か?
工事現場で山のように積まれた土や砂利を乗せ、目的地に着いたら荷台の前の方を
「ウィーン」と持ち上げて、ザザーッと一瞬で荷物を降ろしてしまう
おなじみの力持ちトラックです。現場と外部を繋ぐ物流の主役です。
1. 基本概要
そもそも何か
トラックのシャシー(車台)の上に、土砂等を積載する「荷台(ベッセル)」と、
それを傾けるための「油圧昇降装置(ホイスト)」を備えた特装自動車です。
なぜ必要なのか
ショベルカーがどれだけ早く土を掘っても、それを現場の外の処理場へ運ばなければ
工事は進みません。また、降ろす際にクレーンや人力を使わず、
重力で一瞬で荷降ろし(ダンプ作業)できる機構が大量輸送には不可欠なのです。
2. 構造や原理
内部構造(特徴的な構造)
運転台と荷台の間に、強力な「油圧シリンダー」が隠されています。
荷台の後ろのドア(あおり)は、上部を支点にしてぶら下がるように
なっており、傾けると自動で開きます。
作動原理
トラックのエンジンの動力を使って油圧ポンプを回し(PTO機構)、
シリンダーを伸ばして荷台の前部を高く持ち上げます。
傾斜により、土砂は自重で後方へ滑り落ちます。
3. 素材・形状・規格
外観形状と素材
過酷な積み込みに耐えるため、荷台は分厚い高張力鋼板で作られており、非常に頑丈です。
一般的な「リアダンプ(後ろに降ろす)」のほか、
横に降ろせる「サイドダンプ」などもあります。
種類や関連規格
大きさは軽自動車(軽ダンプ)、2t、3t、4t、そして巨大な大型ダンプ(10t車など)
があります。また、土砂を運ぶ通常のダンプと、落ち葉やペットボトルなどの軽いゴミを運ぶ
荷台の深い「土砂禁ダンプ」に分かれます。
4. 主に使用されている場所
使用される施設
トンネル掘削(ズリ出し)、宅地造成、アスファルト合材の運搬、産業廃棄物の収集運搬、
ダムや鉱山などの超大型工事(重ダンプ)など。
具体的な設置位置
現場内ではショベルカーの横に停車し、土砂を積み込まれます。
その後、公道を走って処理場へ向かいます。
5. メリット・デメリット
メリット(長所)
荷降ろしにかかる時間がわずか数秒〜数十秒であり、圧倒的な回転率で土砂を運搬できます。
強靭なフレームとサスペンションにより、悪路の現場内でも重量物を積んだまま
力強く走行できます。
デメリット(短所・弱点)
荷台を高く上げた状態は非常に重心が高く、少しでも地盤が斜めだったり、土砂が
片側に張り付いて残ったりすると、車体ごと横転する危険が常に伴います。
6. コスト・価格の目安
導入にかかる費用
多くの土木業者が自社で保有していますが、大規模工事では専門のダンプ輸送業者に
運搬を依頼(常用・チャーター)します。
おおよその相場
- 大型ダンプ(10tクラス)新車価格: 1,500万〜2,000万円
- ダンプ輸送依頼(1日・運転手付): 3万〜5万円程度
- 軽ダンプ(新車): 150万〜250万円
7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法
更新周期
重い土砂や岩石を積むため、荷台の床板がベコベコに凹んだりすり減ったりします。
トラック本体の寿命は10〜15年程度、走行距離にして100万kmを超えることもあります。
絶対にやってはいけない悪い使用方法
規定の重量を超えて土砂を山盛りに積む
「過積載(かせきさい)」。
荷台(ベッセル)を上げたまま
現場内を前進して走ること。
悪い使用方法をするとどうなるか
過積載はブレーキが効かなくなり、公道での重大な死亡事故の直接の原因となるため
厳罰化されています。また、荷台を上げたまま走ると、現場の上空を通っている電線に引っ掛けて
引きちぎり、一帯を停電させる大事故になります。
8. 関連機器・材料の紹介
- 油圧ショベル(ユンボ):
ダンプの荷台に土砂を積み込む相棒。
▶ 詳細記事はこちら
9. 多角的なQ&A(20連発)
ダンプトラックの積載量は?
一般道路を走る10tダンプで約5〜6m³(砕石で約10t)、大型オフロードダンプは100t以上積載できるものもあります。
運転に必要な免許は?
最大積載量に応じて中型・大型免許が必要です。公道を走る10tダンプは大型免許が必要です。
過積載はなぜ危険?
ブレーキ距離が延びる、タイヤがバーストする、荷台が不安定になり横転するなど重大事故の原因になります。道路交通法違反でもあります。
ダンプアップ(荷台を上げる)時の注意は?
荷台が電線に接触して感電する事故が多発しています。ダンプアップ前に必ず上方の障害物を確認してください。
砂利を自宅に運んでもらえる?
建材店やホームセンターでダンプ配達を手配できます。2tダンプ1台分で数千円〜1万円程度が配送料の目安です。
土砂を積み込む際の注意は?
偏荷重にならないよう均等に積載してください。片側に偏ると走行中にバランスを崩して横転します。
ダンプアップ時の転倒防止は?
必ず平坦で安定した地盤の上でダンプアップしてください。傾斜地でのダンプアップは横転の原因になります。
悪路走行のコツは?
低速ギアでゆっくり走行し、急ハンドル・急ブレーキを避けてください。泥濘地ではチェーンの装着も検討します。
荷台のメンテナンスは?
荷台の底板の摩耗確認、テールゲートのヒンジの注油、油圧シリンダーのオイル漏れチェックを日常的に行います。
待機中のアイドリング規制は?
多くの自治体でアイドリングストップが条例で義務化されています。待機中はエンジンを停止してください。
運搬計画で考慮すべきことは?
運搬距離・道路状況・交通規制・積載量・台数・サイクルタイムを計算し、1日の運搬量を算出します。
過積載の管理は?
現場出口にトラックスケール(計量器)を設置するか、バケットの容量管理で積載量を制限します。元請の責任で管理してください。
道路の汚損防止対策は?
タイヤ洗浄設備の設置、路上清掃の実施、シート掛けによる飛散防止措置を工事計画に含めてください。
通学路を通る場合の対策は?
通学時間帯を避けた運搬計画、交通誘導員の配置、学校への事前連絡が必要です。
ダンプの手配台数の算出方法は?
日当たり運搬土量÷(1台あたり積載量×日当たりサイクル回数)で必要台数を算出します。予備の1〜2台も見込んでください。
自社ダンプの車検管理は?
大型ダンプは1年車検です。車検切れの車両を使用しないよう、管理台帳で有効期限を一元管理してください。
油圧装置のメンテナンスは?
油圧オイルの交換(1000時間または年1回)、フィルター交換、ホースの亀裂点検を定期的に行います。
排ガス規制への対応は?
NOx・PM法の対象地域では使用車種規制があります。基準不適合車は対象地域で登録・使用できません。
燃費管理は?
デジタルタコグラフで燃費データを記録し、急加速・急減速の削減でエコドライブを推進します。
冬季の管理は?
軽油は寒冷地用(3号軽油)に切り替え、冷却水の不凍液濃度を確認してください。バッテリーの電圧も確認します。