ガスメーター(マイコンメーター)とは?
ガスの流量異常や地震を検知して自動遮断するマイコンメーター
【超解説】とても簡単に言うと何か?
ガスメーターは、単に毎月のガス料金を計算するための計量器ではありません。内蔵されたマイコン(超小型コンピュータ)が、地震の揺れや異常なガスの流れを監視し、危険があれば瞬時にガスを遮断する、各家庭の「ガスの安全を守る門番」です。
1. 基本概要
そもそも何か
マイコンメーターは、使用されたガスの体積(m³)を計量し、毎月の料金を算出するための計器です。従来の機械式メーターに、マイクロコンピュータとガス遮断用の安全弁を組み込んだハイテク機器です。
なぜ必要なのか
最大の理由は「ガス爆発や一酸化炭素中毒といった大事故を未然に防ぐため」です。地震発生時や、お風呂の消し忘れによる長時間のガス流出、またはゴム管が外れた際の異常な大流量を検知し、瞬時にガスを遮断します。
2. 構造や原理
内部構造(特徴的な構造)
メーターの内部にはガスが流れると交互に膨らむ2つの部屋(計量膜)があり、その動きの回数でガス量を測ります。上部にはマイコン基板があり、流量センサーや感震器(地震センサー)と連動して遮断弁を制御します。
作動原理(配置の仕組み等)
ガス機器を使用中に震度5相当以上の揺れを感知したとき、または通常の生活ではあり得ない量のガスが急激に流れたとき、マイコンが異常と判断し、内蔵の遮断弁をバシャッと閉じてガスの供給を強制停止させます。
3. 素材・形状・規格
外観形状と素材
アルミニウム合金の頑丈なダイカスト製の箱型をしています。正面には使用量を示すデジタルまたはアナログのカウンターがあり、左上部付近には異常を知らせる「赤色のLEDランプ」と、復帰させるための「復帰ボタン(キャップ付き)」が付いています。
種類や関連規格
ガスの使用量に応じて「2号」「4号」「6号」といった号数(サイズ)があります。また、都市ガス用(13A等)とプロパンガス(LPガス)用で内部構造や圧力が異なるため、見た目は似ていても互換性は一切ありません。
4. 主に使用されている場所
使用される施設
戸建て住宅の外壁、マンションの共用廊下にあるメーターボックス(MB・パイプシャフト)の中、または工場の敷地境界付近などに設置されます。
具体的な設置位置
検針員が数値を読みやすく、かつ非常時に居住者がすぐに「復帰ボタン」を押せるよう、地上から見やすい高さ(概ね目線の高さ前後)に設置されます。
5. メリット・デメリット
メリット(長所)
微小なガス漏れから大地震まで、24時間365日休まずガスの安全を監視してくれる点です。マイコンメーターの普及により、日本国内におけるガス漏れ事故は劇的に減少しました。
デメリット(短所・弱点)
マイコンメーター自体にデメリットはありませんが、内蔵されている電子基板やセンサーを動かすリチウム電池には寿命(約10年)があるため、定期的にメーター本体を丸ごと交換しなければならない点があります。
他の手法との違い
昔の「機械式メーター」はただガス量を測るだけのものでしたが、現在の「マイコンメーター」は安全監視と自動遮断の機能を備えている点で、安全レベルが全く異なります。
採用時の注意点
入居者がガスの消し忘れをした際にも自動遮断が働くため、「急にガスが止まった」という問い合わせが来ることがあります。メーターの復帰方法を入居時案内に記載しておくことが重要です。
6. コスト・価格の目安
導入や更新にかかる費用
ガスメーターの設置費や交換費は、基本料金に含まれる形になっています。
おおよその相場
メーター本体の価格や交換作業の費用はガス事業者が負担するため、ユーザーに対してその場で直接の請求(数万円など)が発生することはありません(※私設の子メーターは除く)。
7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法
更新周期(推奨交換時期)
日本の計量法により、家庭用のガスメーター(10m³以下)は「10年」ごとに必ず新品に交換することが義務付けられています。この交換はガス会社が計画的に行います。
絶対にやってはいけない悪い使用方法
ガスメーターの周囲に物を積み上げて隠してしまうことや、メーターに犬のリードを繋いだり、自転車を立てかけたりして衝撃を与え続けることです。
悪い使用方法をするとどうなるか(末路)
メーターが検針できないだけでなく、衝撃によってマイコンが「地震だ」と勘違いして頻繁にガスを遮断してしまいます。最悪の場合、メーター本体や配管の継手が破損し、大規模なガス漏れ事故を引き起こします。
8. 関連機器・材料の紹介
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ガス配管(白ガス管・フレキ管):
メーターからガスコンロ等の器具までガスを運ぶ配管材料。
▶ 詳細記事はこちら -
ガス漏れ警報器:
室内に漏れ出たガスを検知してブザーで知らせる安全機器。
▶ 詳細記事はこちら
9. 多角的なQ&A(20連発)
ガスメーターの赤いランプが点滅してガスが出ません。
それはマイコンが異常を検知してガスを安全に遮断しているサインです。復帰ボタンを押して数分待てば、異常がなければ再開します。
お風呂のお湯を出しっぱなしにしたらガスが止まりました。
マイコンメーターには「長時間使用遮断」機能があります。お風呂の消し忘れ等を防ぐための非常に優秀な安全装置です。
ガスメーターに近づくとチクタク音がします。ガス漏れですか?
ガスメーター内部の計量膜が動く音で、正常な動作音です。ガス漏れのシューという音や臭いが無ければ問題ありません。
地震でガスが止まりました。どうすればいいですか?
震度5相当以上の揺れで自動遮断されます。揺れが収まった後、ガス機器のスイッチを全て切り、メーターの復帰ボタンを押してください。
ガスメーターを取り替えると言われました。費用はかかりますか?
ガスメーターはガス会社の資産であり、定期的な交換(通常10年)の費用は毎月の基本料金に含まれているため、その場で別途請求されることはありません。
ガスメーターの設置位置で気をつけることは?
検針や復帰操作が容易にできる高さ(一般に1.5m前後)であること。また、火気から2m以上離し、通風の良い場所に設置するのが基本です。
メーターの号数はどうやって決めるのですか?
建物内に設置される全ガス機器の最大ガス消費量(合計号数)を計算し、それに見合った最大流量を持つメーターを選定します。
プロパンと都市ガスでメーターは違いますか?
基本構造は似ていますが、ガスの圧力や発熱量、計量単位が異なるため、必ずそれぞれのガス種に専用設計されたマイコンメーターを使用します。
メーターバイパス管とは何ですか?
病院や工場など、メーター交換時でもガスを一切止められない施設のために、メーターを迂回してガスを供給し続けるための予備配管ルートです。
マイコンメーターの通信機能とは?
電話回線やLTE網を通じて、ガスの自動検針や異常時のセンターへの自動通報、さらには遠隔からのガス遮断を行うスマート機能です。
メーターボックス内に物を置かれないようにする対策は?
メーターボックス(MB)内に居住者がタイヤなどを置くと検針や緊急時の復帰の妨げになります。扉に「物置禁止」のステッカーを貼るなどの啓発が必要です。
テナントビルでのガスメーターの「親メーター」「子メーター」とは?
親メーターはガス会社がビル全体を計量するもので、子メーターはビルオーナーが各テナントのガス料金を按分計算するために設置する私設メーターです。
子メーターの交換義務は誰にありますか?
子メーター(証明用計器)も計量法により10年での交換が義務付けられており、この交換費用は原則としてビルオーナーの負担となります。
大規模修繕でガスメーターを一時的に移動できますか?
ガスメーターの移動や一時撤去は、必ず契約しているガス事業者に依頼する必要があります。無資格の一般業者が勝手に移動させることは法律で禁止されています。
スマートメーター化のメリットは何ですか?
検針員が訪問しなくても遠隔で自動検針できるほか、ガス漏れなどの異常をリアルタイムでガス会社が把握できるため、保安レベルが劇的に向上します。
空室が続いている部屋のガスメーターはどうすべきですか?
長期間使用しない場合は、ガス会社に連絡して閉栓手続きを行い、メーターの元栓を確実に閉めてもらうのが保安上もっとも安全です。
マンションのガスメーターに期限切れのステッカーが貼られています。
計量法違反の状態です。すぐにガス会社に連絡して、法定期間内の有効なガスメーターへの無償交換工事を手配してください。
メーター付近でガス臭がする場合の初動対応は?
火気や静電気(換気扇のスイッチ操作など)を絶対に避け、メーターの元栓を閉め、周囲の人を遠ざけて直ちにガス会社(緊急連絡先)へ通報してください。
防犯のためにメーターボックスに鍵をかけてもいいですか?
検針や緊急時のガス遮断、法定点検の大きな妨げとなるため、ガスメーターの扉に南京錠などを勝手にかけることは原則として禁止されています。
テナントから「ガスがすぐ止まる」とクレームがあります。
新しい大型の業務用ガスコンロを入れた等で、メーターの容量(号数)を超えてガスが急激に流れている可能性があります。容量変更工事が必要です。