OVR / UVR(過電圧・不足電圧継電器)とは?
電圧の異常な低下や上昇を検出し、機器を保護する継電器
【超解説】とても簡単に言うと何か?
電圧の異常な上昇や低下を検知して遮断器に指令を出し、接続機器を保護する継電器です。
1. 基本概要
そもそも何か
OVR(Over Voltage Relay:過電圧継電器)および
UVR(Under Voltage Relay:不足電圧継電器)とは、
設定された電圧値から外れた異常な電圧を検知し、
高圧遮断器(VCBなど)に遮断信号を送る機器です。
なぜ必要なのか
電力会社から送られてくる電圧は常に一定ではなく、
落雷や事故により急激に上昇したり低下します。そのまま施設内に異常な電気を流してしまうと、
変圧器や電子機器の焼損、誤作動に直結するため、
早期に異常を検知して遮断する必要があります。
2. 構造や原理
内部構造
VT(計器用変圧器)によって6600Vの高電圧から
110Vに降圧された安全な電圧を常に測定しています。
内部には基準電圧と比較する電子回路が組み込まれ、
整定値(設定値)を超えた場合に接点が動作します。
作動原理
OVRは、電圧が設定値(例: 130V)以上に上昇した場合に動作します。
一方UVRは、電圧が極端に低下(停電など含む)した場合に動作し、機器を安全に停止させます。
3. 素材・形状・規格
外観形状と素材
キュービクル内の盤面に取り付けられる箱型で、
プラスチック製の頑丈なケースに収められています。
表面には設定用のダイヤルや動作表示器があり、現在ではデジタル表示式が主流となっています。
種類や関連規格
高圧受電設備規程やJIS C 4602に基づき、静止形(電子式)の保護継電器が多く使用されます。
近年ではOCRなどの他の機能と一体化した「マルチリレー」として製品化されることも多いです。
4. 主に使用されている場所
使用される施設
高圧受電(6600V)を行っているすべての施設です。ビル、工場、病院、商業施設など、
キュービクルが設置されている場所に必ず存在します。
具体的な設置位置
キュービクル内部の計器盤(リレー盤)の表面や、
VCT(取引用計器用変成器)の二次側回路など、
電圧を正確に測定できる位置の盤面に設置されます。
5. メリット・デメリット
メリット(長所)
電圧異常による設備の広範囲な焼損や破壊を未然に防ぎ、
復旧にかかる莫大なコストと時間を抑えられます。また、停電時の安全な自動遮断を実現します。
デメリット(短所・弱点)
雷サージなどの一瞬の電圧変動(瞬時電圧低下)で
過敏に反応してしまい、不必要な停電を引き起こす
リスクがあるため、整定(設定)には注意が必要です。
6. コスト・価格の目安
導入や更新にかかる費用
リレー単体での価格と、交換に伴う継電器試験や停電作業費を合わせた金額が相場となります。
おおよその相場(機器+工事・更新の場合)
- 機器本体: 3万〜8万円前後(仕様による)
- 交換工事費・試験調整費等: 5万〜10万円前後
合計目安: 8万〜18万円程度
7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法
更新周期(推奨交換時期)
保護継電器の更新推奨時期は一般的に15年です。
電子部品の劣化により誤動作のリスクが高まるため、
定期的な継電器試験(年次点検)で性能を確認します。
絶対にやってはいけない悪い使用方法
誤動作が多いからといって動作スイッチを切ったままに
したり、自己判断で設定値を変更することは厳禁です。
悪い使用方法をするとどうなるか(末路)
本当に異常電圧が侵入した際に遮断器が作動せず、キュービクル内の変圧器や施設内の電子機器が
全損・焼損し、莫大な損害が発生する可能性があります。
8. 関連機器・材料の紹介
OVR/UVRと関連して使用される主な電気機器です。
-
VT(計器用変圧器):
6600Vの電圧を110Vに降圧してOVR/UVRに供給する機器。 -
VCB(真空遮断器):
継電器からの信号を受け取り、高圧回路を実際に遮断する機器。
9. 多角的なQ&A(20連発)
ビル全体がカミナリの後停電したのは何故ですか?
異常な電圧から機器を守るため、これらが緊急停止させたからです。
ブレーカーが落ちた音とは違う大きな音がしました。
OVRなどが異常を検知し、大元の高圧スイッチ(VCB等)が動いた音です。
停電はどのくらいで直りますか?
原因を取り除き、安全を確認してから復旧するため数時間かかることがあります。
電圧が高いと家電も壊れるのですか?
はい、高すぎる電圧が直接流れてしまうと一瞬で壊れてしまいます。
防ぐことはできないのですか?
落雷などの自然現象は防げないため、異常を検知して遮断する仕組みが必要です。
交換時に気をつける配線上の注意はありますか?
VT回路が短絡しないよう必ず確認し、制御電源の極性にも注意します。
古い機械式から電子式へ更新する際の注意点は?
パネルの開口寸法が異なる場合が多いため、専用のアダプタ板が必要です。
テストボタンを押すときの注意点は?
実際のVCBが連動して遮断されて全停電になるため、運用中は絶対に押しません。
VTのヒューズが飛んでいるとどうなりますか?
UVR(不足電圧)として誤検知し、不要な停電を引き起こすことがあります。
制御電源が喪失した場合はどうなりますか?
継電器自体が動かなくなり、保護機能が完全に失われるため大変危険です。
継電器試験のスケジュールはどう組み込むべきか?
受電前の総合試験に必ず含め、電気主任技術者との日程調整が必要です。
納入仕様書で確認すべき設定項目は?
電力会社の供給条件に合った整定値の範囲を持っているか確認します。
製品納期で気をつけることは?
特殊な仕様やマルチリレーは受注生産が多く、数ヶ月かかる場合があります。
リニューアル工事における停電時間の目安は?
単体交換であれば数時間ですが、試験を含めると半日程度は計画すべきです。
改修時の図面で注意するポイントは?
新しい継電器の制御方式(無電圧引き外し等)が既存の遮断器と適合するか確認します。
誤動作で停電した場合、すぐに復旧しても良いか?
一過性の原因でない限り、安易な再投入は機器の焼損を招くため要注意です。
年次点検での測定項目は何ですか?
設定した電圧値と時間で正確に動作するかを専用の試験器で測定します。
LED表示が点滅しているのは異常ですか?
動作履歴が残っているサインの可能性があり、リセットするまで点滅が続きます。
雷が多い地域での運用上の工夫は?
瞬時電圧低下に過敏に反応しないよう、動作時限を適切に調整してもらいます。
15年経過したので交換したいが費用はいくら?
機器と試験・工事費を合わせて約10万〜20万円程度の予算を見込んでください。