水圧テストポンプとは?
配管に水圧をかけて漏れがないかを確認するテストポンプ
【超解説】とても簡単に言うと何か?
完成した配管に水を注入して高い圧力をかけ、どこかから漏れが出ないかを確認するための
試験用ポンプです。建物が完成する前に配管の健全性を証明する「最終試験官」の役割です。
1. 基本概要
そもそも何か
水圧テストポンプは、配管に水を充填して所定の圧力まで加圧し、
一定時間保持して圧力が下がらないことを確認するための手動または電動の試験用ポンプです。
なぜ必要なのか
配管の接続部(溶接・ねじ込み・フランジ)に微細な欠陥があると
建物の引渡し後に水漏れが発生し、建物の構造や内装に重大な被害を与えます。耐圧試験は
これを未然に防ぐ最終検査です。
2. 構造や原理
内部構造(特徴的な構造)
手動式はプランジャーポンプ方式で、レバーを上下させてピストンが水を押し込みます。電動式は
モーター駆動のポンプで自動的に加圧します。圧力計(ゲージ)が必ず付属します。
作動原理
配管の末端をすべて閉塞(止め栓)し、テストポンプで水を注入して加圧します。
規定圧力まで上げて15分〜60分保持し、圧力が低下しなければ合格です。
圧力低下があれば漏れ箇所を特定して修理します。
3. 素材・形状・規格
外観形状と素材
手動式はバケツ程度の水槽にレバー式ポンプと圧力計が付いたコンパクトな構成です。
電動式は台車に載せて移動する大型のものもあります。
種類や関連規格
給水管の耐圧試験は最高使用圧力の1.75倍(水道法)、空調配管は設計圧力の1.5倍
(JIS B 8607等)で行います。消火設備は消防法で規定された圧力での試験が義務です。
4. 主に使用されている場所
使用される施設
住宅・ビル・工場・商業施設など配管工事が行われるすべての現場で
使用されます。給水・給湯・排水・空調・ガス・消火設備の各配管に対して実施されます。
具体的な設置位置
配管系統の最も低い位置にポンプを設置して水を注入します。機械室や配管シャフト周辺で
作業することが多いです。
5. メリット・デメリット
メリット(長所)
壁や天井を閉じる前に漏れを発見できるため、修理が容易でコストも最小限で済みます。
試験記録は品質保証のエビデンスとして保存できます。
デメリット(短所・弱点)
手動式は大口径の配管系統では加圧に非常に時間がかかります。冬期は配管内の水が凍結する
リスクがあるため、不凍液の使用や養生が必要です。
6. コスト・価格の目安
導入や更新にかかる費用
手動式テストポンプは3万円〜8万円程度、電動式は10万円〜30万円程度です。
レンタルであれば1日3,000円〜5,000円程度で利用できます。
おおよその相場
- 手動式: 30,000〜80,000円
- 電動式: 100,000〜300,000円
- レンタル: 3,000〜5,000円/日
7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法
更新周期(推奨交換時期)
圧力計は年1回の校正が推奨です。ポンプ本体はパッキンの劣化で漏れが出たら部品交換します。
適切なメンテナンスで10年以上使用可能です。
絶対にやってはいけない悪い使用方法
規定圧力を大幅に超えて
加圧すること、配管の末端を
確実に閉塞せずに加圧すること、
凍結が予想される環境で
水抜きせずに放置することです。
悪い使用方法をするとどうなるか(末路)
過剰加圧は配管や継手の破裂を招き、高圧の水が噴出して重大な怪我に繋がります。
閉塞不良では加圧できないだけでなく周囲が水浸しになります。
8. 関連機器・材料の紹介
- パイプカッター:
配管の切断に使う専用工具。
▶ 詳細記事はこちら - モンキーレンチ:
配管の継手やバルブの締付に使う。
▶ 詳細記事はこちら
9. 多角的なQ&A(20連発)
水圧試験って何をしているの?
完成した配管に水を入れて高い圧力をかけ、漏れがないか確認する検査です。合格すれば
壁や天井を閉じて仕上げに進みます。
水圧試験の立会いは必要?
義務ではありませんが、試験結果の記録(写真と数値)を施工業者に提出させることを
おすすめします。
試験に合格すれば漏れない?
試験圧力は通常の使用圧力の約1.5〜1.75倍をかけるため、合格すれば通常使用で漏れる
可能性はほぼゼロです。
どのくらいの時間がかかる?
加圧して15分〜60分間保持して圧力の変化を観測します。準備と片付けを含めると
半日程度かかることもあります。
試験後の水はどうなるの?
試験後は配管から水を排出します。排出した水は通常の水なので
排水溝に流して問題ありません。
エア抜きのコツはありますか?
配管の最も高い位置にエア抜きバルブを設け、加圧前に空気を完全に抜いてください。
空気が残ると圧力が安定しません。
漏れ箇所の特定方法は?
圧力低下が確認された場合、全ての接続部を目視確認し、濡れている箇所を探します。
微細な漏れにはティッシュを当てて確認します。
冬期の凍結対策は?
不凍液を使用するか、試験後速やかに排水してエアブローで管内の残水を除去します。
凍結で配管が破裂するとやり直しになります。
ねじ込み配管で漏れやすい箇所
チーズ(T字継手)やエルボ(90度継手)のねじ込みが最も漏れやすいポイントです。
シールテープの巻き方と締め込み量が重要です。
試験圧力はどの規格に従う?
給水は水道法(1.75MPa以上)、空調はJIS B 8607(設計圧力×1.5)、
消火設備は消防法の規定に従ってください。
試験記録に残すべき項目は?
試験日時、対象系統、試験圧力、保持時間、開始時と終了時の圧力値、使用機器の型番を
記録してください。
写真はどこを撮るべき?
圧力計の目盛り(加圧開始時と保持終了時)、テストポンプの
接続状態、配管全体の養生状況を撮影してください。
不合格の場合の手順は?
減圧後に漏れ箇所を特定・修理し、再度試験を行います。修理記録と再試験結果も
必ず残してください。
仕上げ前に試験を終えるべき理由
壁や天井を閉じた後では漏れ箇所の特定と修理が極めて困難になり、内装の
やり直し費用が発生するためです。
圧力計の校正は必要ですか?
年1回の校正を推奨します。校正証明書を保管しておくと品質管理のエビデンスになります。
メンテナンスで気をつけることは?
使用後は内部の水を完全に排出し、パッキン類の劣化を確認します。
長期保管時はポンプ部分に防錆油を塗布してください。
レンタルと購入どちらがいい?
年間の使用回数が10回以上なら購入の方がコスパが良いです。たまにしか使わない場合は
レンタルで十分です。
保管場所の条件は?
凍結しない屋内で、直射日光を避けた場所に保管してください。圧力計は衝撃に弱いため
緩衝材で保護します。
おすすめのメーカーは?
アサダ、TASCO、キョーワが国内で広く使われています。手動式はアサダのTP50Bが
定番モデルです。
廃棄のタイミングは?
ポンプのパッキン交換で回復しない漏れ、圧力計の校正不能、
フレームの錆びによる強度不足のいずれかに該当したら廃棄です。