木質系建材(構造用合板・集成材・LVL)とは?
合板や集成材など、木材の欠点を補い強度を安定させた工業用木質建材
【超解説】とても簡単に言うと何か?
天然の木をスライスしたり小さく切ったりしてから接着剤で貼り合わせた
「加工された木の建材」です。天然の木より反りにくく割れにくい高性能な木材です。
1. 基本概要
そもそも何か
木質系建材は天然木を薄板(単板)や挽き板(ラミナ)に加工し、接着剤で積層・接合して
製造する工業化木材です。構造用合板、集成材、LVL、CLTが代表的な製品です。
なぜ必要なのか
無垢材は個体差が大きく、反り・割れ・節による強度低下があります。木質系建材は
品質が均一で、大きなサイズの部材を製造でき、構造計算の信頼性が向上します。
2. 構造や原理
内部構造(特徴的な構造)
構造用合板は薄い単板を繊維方向を交互に積層して接着したものです。集成材は
挽き板(ラミナ)を繊維方向を揃えて積層接着したものです。LVLは単板を繊維方向を揃えて
積層しています。
作動原理
合板の交互積層は方向による強度差を均一にし、反りを防止します。集成材は節や
欠点を取り除いたラミナを使うため、無垢材以上の安定した強度が得られます。
3. 素材・形状・規格
外観形状と素材
構造用合板は910mm×1820mm(3×6判)で厚さ9mm〜28mm。集成材は柱・梁として105mm〜600mm角の
大断面も製造可能。材種はスギ、ヒノキ、カラマツ、ベイマツが多く使われます。
種類や関連規格
構造用合板はJAS(日本農林規格)で等級が定められています。集成材はJAS認定が必要で、
対称異等級構成(E105-F300等)の表示で強度がわかります。CLTはJAS認定品が建築に使用可能。
4. 主に使用されている場所
使用される施設
木造住宅の構造材(柱・梁・床)、大規模木造建築(CLT工法)、体育館・庁舎の構造材、
内装の造作材に使用されます。
具体的な設置位置
構造用合板は壁の耐力面材や床下地。集成材は柱・梁の構造材。LVLは梁やまぐさ。
CLTは壁・床・屋根の構造パネルとして使用されます。
5. メリット・デメリット
メリット(長所)
品質が均一で構造計算の信頼性が高い。大断面・長尺の部材が製造可能で
大空間の木造建築を実現。森林資源の有効活用とカーボンニュートラルに貢献します。
デメリット(短所・弱点)
接着剤を使用するためVOC(揮発性有機化合物)への配慮が必要です。無垢材に比べて
価格が高い場合があり、水濡れに弱い製品もあります。
6. コスト・価格の目安
導入や更新にかかる費用
構造用合板(12mm)は1枚1,500円〜3,000円程度。集成材の柱(105mm角)は
1本3,000円〜8,000円。CLTは20,000〜50,000円/m3程度。
おおよその相場
- 構造用合板: 1,500〜3,000円/枚
- 集成材柱: 3,000〜8,000円/本
- CLT: 20,000〜50,000円/m3
7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法
更新周期(推奨交換時期)
適切に施工され雨漏りがなければ建物の寿命と同等(50年以上)に持ちます。水濡れや結露が
発生すると接着層の劣化や腐朽のリスクがあります。
絶対にやってはいけない悪い使用方法
JAS認定を受けていない構造用
合板や集成材を構造計算に使うこと、
水濡れのまま施工すること、
F☆☆☆☆以外の合板を
内装の仕上げ下地に使うことです。
悪い使用方法をするとどうなるか(末路)
JAS認定品以外は強度が保証されず構造の安全性が担保できません。水濡れは接着層の劣化と
木材の腐朽を招きます。
8. 関連機器・材料の紹介
- 外壁サイディング:
木質系建材の外側に取り付ける外壁。
▶ 詳細記事はこちら - トリマー・ルーター:
木質建材の加工に使用する工具。
▶ 詳細記事はこちら
9. 多角的なQ&A(20連発)
集成材と無垢材の違いは?
集成材は小さな板を接着した加工材で反り・割れが少なく品質が安定。
無垢材は天然の1本の木で質感は良いが個体差があります。
CLTとは何ですか?
Cross Laminated Timberの略で板を繊維方向を交互に直交積層した大判パネルです。
木造の高層ビルが建てられる注目の新素材です。
シックハウスの心配は?
F☆☆☆☆(フォースター)等級の製品はホルムアルデヒドの発散が極めて少なく、内装に
制限なく使用できます。
DIYで構造用合板は使える?
床の補強や壁の下地としてDIYでも使えます。ホームセンターで購入可能ですが
重いため搬入に注意してください。
集成材の加工性は?
無垢材と同様にノコギリやカンナで加工できます。接着層で刃が傷みやすいためこまめに
研ぎ直してください。
構造用合板の釘打ち間隔は?
耐力壁の場合は外周部150mm以内、中間部200mm以内が一般的です。
構造計算で指定された間隔を厳守してください。
含水率の管理は?
集成材は含水率15%以下で出荷されますが、現場での長期保管で吸湿するため
雨養生を確実に行います。
接合部の注意点は?
集成材は硬いためプレカット(工場加工)が標準です。現場でのほぞ加工は
寸法精度に注意してください。
LVLの使い方は?
高さのある梁やまぐさによく使われます。合板と同様に単板を積層していますが
繊維方向が揃っているため曲げ強度が高いです。
JAS認定の確認方法は?
製品にJASマークが表示されています。構造用に使用する場合は必ず
JAS認定品を選定してください。
現場保管の注意点は?
雨に濡らさないよう養生し、地面から浮かせて保管します。直射日光も反りの原因に
なるため避けてください。
耐力壁の品質管理は?
合板の釘打ち間隔、釘の種類、めり込みの有無を全数確認してください。
CLT建築の法的要件は?
建築基準法の告示に基づき構造計算が必要です。防耐火性能の確認と大臣認定の取得が必要な
場合があります。
防蟻処理は必要?
地盤面から1m以内の木部は防蟻処理が必要です。合板も例外ではありません。
保管場所の注意は?
屋内の乾燥した場所で保管し、合板は平置きにして反りを防いでください。
おすすめのメーカーは?
構造用合板は林ベニヤ、セイホク。集成材は中東、銘建工業。CLTは銘建工業、山佐木材が
国内の主要メーカーです。
端材の活用方法は?
構造用合板の端材は仮設の養生板やスペーサーとして活用できます。
廃棄方法は?
接着剤を含むため産業廃棄物として処分します。焼却可能な施設もありますが地域の
規則を確認してください。
在庫管理のポイントは?
厚み・寸法・等級別に管理し、先入れ先出しで使用します。長期保管品は反りと含水率を
確認してから使ってください。