照明器具(システム天井用)とは?
グリッドにはめ込む「天井と一体化する光」
【超解説】とても簡単に言うと何か?
オフィスの天井に整然と並んでいる四角い照明器具のことです。
システム天井のグリッド(格子枠)にはめ込んで設置するので、
天井面とフラットに仕上がります。
1. 基本概要
そもそも何か
システム天井用照明器具は、Tバーグリッドの開口に埋め込んで設置する
天井一体型の照明器具です。主にオフィスビルや商業施設の天井に使用されます。
規格サイズ(600mm×600mm等)に統一されているため、レイアウト変更にも柔軟に対応できます。
なぜ必要なのか
オフィスではJIS Z 9110で推奨照度が定められており、事務室では750lx(ルクス)が目安。
システム天井用照明は均一な照度分布を実現し、グレア(まぶしさ)を抑えた
快適な照明環境を提供します。
2. 構造や原理
埋込型(トロファ型)
天井グリッドの開口にすっぽりはまる直方体型の器具。下面にルーバーや乳白パネルを
備え、光を制御します。600×600mm・600×1200mmが標準。
ライトバー型
細長いバー形状のLED照明。グリッドに沿って設置し、モダンなデザインで
近年の主流になっています。調光・調色が可能な製品も多い。
下面開放型
ルーバーやパネルがなくLED光源が直接見えるタイプ。高効率ですがグレアが大きくなる傾向。
倉庫や工場向きです。
3. 素材・形状・規格
本体:鋼板製(溶融亜鉛めっき)。
光源:LEDが主流(従来はFHF32W蛍光灯)。
サイズ:600×600mm、600×1200mm、300×1200mmなどグリッドに対応。
規格:JIS C 8105(照明器具通則)、JIS Z 9110(照明基準総則)。消費電力は20〜60W程度で
発光効率は130〜180lm/W。
4. 主に使用されている場所
オフィスビルの事務室、会議室・応接室、病院の診察室・待合室、学校の教室、
商業施設のバックヤード、公共施設の事務スペースなど。
5. メリット・デメリット
メリット
① 均一な照度:配置計算でムラのない照明が可能。
② レイアウト変更容易:
グリッドの空き位置に移動可能。
③ メンテナンス性:器具ごと上に持ち上げて取り外せます。
デメリット
① グリッド依存:システム天井のモジュールに制約されます。
② 重量:器具の重量で
天井の吊りボルト強度が必要。
③ 意匠制約:デザインの自由度は限定的です。
6. コスト・価格の目安
おおよその相場
- LED埋込型(600×600):
1万〜3万円/台程度 - LEDライトバー型:
1.5万〜4万円/台程度 - 調光調色対応型:
3万〜8万円/台程度 - 取付工事費:
3,000円〜8,000円/台程度
7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法
更新周期
LED照明の設計寿命は約40,000〜60,000時間(約15〜20年)。光束維持率が70%を下回ったら
交換を検討してください。
絶対にやってはいけない悪い使用方法
天井裏の配線作業時に
照明器具の上に工具や資材を
置くと、器具が落下したり
天井パネルが破損します。
天井内作業時は器具を
一時取り外すか養生してください。
8. 関連機器・材料の紹介
- システム天井:照明器具を組み込むグリッド天井。
▶ 詳細記事はこちら - 照明設計:照度計算と配置計画。
▶ 詳細記事はこちら
9. 多角的なQ&A(20連発)
天井の照明がチカチカする?
蛍光灯の場合はランプの寿命です。LED照明の場合は電源装置の故障の可能性があります。
管理事務所に連絡してください。
照明の明るさを変えられる?
調光機能付きの器具であれば壁のスイッチやリモコンで明るさを調整できます。
プレゼン時に暗くするなど場面に応じて使えます。
照明の色を変えられる?
調色機能付きの場合、昼白色(5000K)と電球色(3000K)を切り替えられます。
集中したい時は昼白色、リラックス時は電球色が適します。
目が疲れるのは照明のせい?
照度不足やグレア(まぶしさ)が眼精疲労の原因になります。デスク面で500〜750lxが
適正照度です。
LED照明に虫は集まる?
LEDは紫外線をほぼ含まないため蛍光灯に比べて虫が集まりにくいです。
器具の取付方法は?
Tバーグリッドの開口に器具を上から落とし込み、フランジ部分をTバーに掛けます。
吊りボルトで補強固定する場合もあります。
電源配線は?
天井裏で送り配線(渡り配線)で接続します。EM-EEF(エコケーブル)の
1.6mm〜2.0mmが標準です。端子台接続が一般的です。
落下防止対策は?
器具にワイヤーを取り付けて天井吊りボルトに固定します。地震時の落下防止用で
建築基準法で求められます。
蛍光灯からLEDへの交換は?
器具ごと交換が推奨です。ランプだけ交換する方法もありますが、安定器の消費電力が
残り省エネ効果が下がります。
調光配線は?
PWM調光やDALI調光の場合は専用の信号線が必要です。電力線とは別にしてください。
照度計算の方法は?
光束法で部屋の必要照度から器具台数を算出します。N=E×A÷(F×U×M)
(E:照度、A:面積、F:光束、U:照明率、M:保守率)。
省エネ基準への対応は?
建築物省エネ法の一次エネルギー消費量計算で照明の消費電力が評価されます。
高効率LED+人感センサー+調光制御が標準です。
非常用照明との兼用は?
バッテリー内蔵型の非常用照明兼用器具を使えば通常照明と非常照明を1台で兼ねられます。
グレア対策は?
UGR(統一グレア指数)19以下を目標に器具を選定してください。ルーバー付きやパネル型は
グレアが抑えられます。
タスクアンビエント照明とは?
天井照明(アンビエント)を300〜500lxに抑え、デスク照明(タスク)で
手元を補う方式です。消費電力を30%程度削減できます。
ランプ交換の頻度は?
LED照明は設計寿命40,000時間で約10〜15年交換不要です。蛍光灯の場合は2〜3年ごとに
一斉交換が一般的でした。
照度測定は必要?
年1回の照度測定で基準照度を維持しているか確認してください。
照度計で机上面を測定します。
器具の清掃方法は?
パネルやルーバーを取り外し中性洗剤で拭き掃除します。年1〜2回の清掃で
照度の維持に効果的です。
電源装置の故障は?
LEDが点灯しない場合は電源装置(ドライバー)の故障が疑われます。器具ごと交換するか
ドライバーのみ交換します。
廃棄時の注意は?
蛍光灯は水銀を含むため専門の回収業者に依頼します。LED照明は産業廃棄物として
適切に処分してください。
参考規格・出典
- JIS C 8105-1 照明器具
- JIS Z 9110:2011 照度基準